このひとも言ってくるんだろうか。
真琴のお母さんからも、真琴本人からもお願いされた地獄のような言葉を。
彼も同じように私に刺してくるのか。
これからもずっと親友でいてね───と。
「でも、律ちゃんには俺がいることも忘れないよーに」
「……は…?」
「じゃ、そろそろホームルーム始まるから」
そして兄と入れ替わるように妹が教室に戻ってきた。
「えっ!お兄ちゃん来たの!?あっプリント!うわーん助かった~!」
「…お礼、言っときなよ」
「うんっ!あのねあのね、りっちゃん!」
藍さんに頭を撫でられるより、真琴に腕を組まれたほうが嬉しかったこと。
「告白じゃなかったよ!!」と、いちばん最初に知らせてくれた言葉のほうが安心できたこと。
そんなのぜったい、いろんな意味でクラスメイトたちにも藍さんにも言えそうにない。



