「今だって私と課題…、やってたのに。本当は真琴のためにならないから写しはあまり好きじゃないけどさ、それでも、それでも私とやってたのに……」
私よりB組の男のほうが大切?
だったら大森に見せてもらえばいい。
その代わり私が真琴を呼び出せば、私を優先してくれるっての。
だとしても私は……自分の気持ちなんか言えもしないけど。
言いたいことなんかひとつも言えないんだよ。
「…あいつもほら、前の学校ではいろいろあったから」
「……あ…、」
ハッと、意識が戻る。
私いま、なんて言った……?
自分の感情を思うがまま言って、ばかじゃないか。
おそるおそる顔を上げてみると、私が想像していたものとは正反対の表情があった。
「いろんな奴と話せるのが単純に楽しいんだと思う。でもたぶんそうやってできるのって、隣に律ちゃんがいてくれるからなんだよ」



