学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





そしたら今度は紅生姜を入れるの忘れたり。

お母さんは「紅生姜が入ってないとたこ焼きじゃない」とまで言ってきて、タコとエビ間違えた分際でどの口が言いやがるって感じだったけど。



「でも食べるとさ……これがまたびっくりするくらいおいしーの。“これでいいんだ”って本当に思うんだよ」



これでいいんだって思えたよ。


型には綺麗に嵌まってくれなかったかもしれない。

周りとは違う作り方をしてしまって、説明書通りじゃないし、一般的には正解ではなかったかもしれない。


だとしても────これでいいんだよ。



「今日のこともいつかぜったいお互いにとっての“素敵な思い出”になるから。そーいやあんなこともあったよなって……いつか笑えんでしょ」



そのときは懐かしいなって笑いあうんだよ。

こんな季節に、しかも夜にふたりで泣きながら川入って、ほんとバカな青春したよなあって。



「…ずっと特別だから。私にとって真琴は」


「…おにいちゃん…よりも…?」


「んー…。てか、いつまでもタコパ引きずるなよ。ウザいから」


「う、うざい…?」


「うん。だってこれからは嫌なとこ言っていいんでしょ?…あと、藍先輩のほうが真琴よりちょっとだけ今は特別かも」


「ええーー!!そんなのやだあ~!!わたしがいちばんだもん!!」


「…ふっ、あははっ」



つないだ手は、初めて私からやさしく離した。