「ヘアピン……じつは藍先輩が持ってんだよね」
「え……?」
「あの日、落ちてたの拾って。藍先輩にあげちゃったんだ私」
「なに、それ…っ、そーなの…?なんだ…、なんだあ……っ」
あとで藍先輩に言っとかなきゃ。
安くてテキトーなのでいいんで、それっぽいヘアピン買っといてくださいって。
「…とりあえず上がるよ。さむすぎて死ぬわ」
「………、」
「真琴?」
「……やだ」
ここでワガママ発動だと。
どんなに私が引っ張りあげようとしたところで、全身全霊で真琴は戻らないを選ぼうとする。
だいぶ身体も冷えてきた。
てか、足の感覚ほとんどない。
「はやく!死ぬってマジで…!!」
「いっ、いいもん…!!」
「は…?」
「わたしなんか、しんだほうが───……いいんだよ」
ならこのまま突き放して川底に顔突っ込ませて、あたまでも押さえつけてやろうか。
それを望んでるってことでしょ?
死んだほうがいい、とか。



