「いらっしゃい藍くん!」
「すみませんなんかお邪魔することになっちゃって。律ちゃんがどーしてもって言うもんですから」
「おい言ってねーよ」
「いいのよいいのよ!おばさんも律とふたりは寂しいと思ってたのよ~!真琴ちゃんも誘おうと思ったんだけどね、ほら…彼氏さんとおデートらしいから。ふふふ」
「……ああ、らしいですね」
私の嘘を見抜いて合わせてくれた。
「よくわかんないですけど」と付け足して、興味ない顔をする和泉兄。
「さ、上がって上がって!こっちはもう準備できてるから!」
「お邪魔します」
私が家に連れてくる人間はずっと真琴だったのに。
いつからこの兄のほうが多くなったんだろう。
「……ちょっと待って母」
「なんで続柄?」
ツッコミを入れたのは藍さん。
そんなことより私は、リビングに入って用意されたテーブルを見てすぐに母親のとんだ失態を見逃さなかった。



