「どう?ちょっとでも良いと思ってくれた?」
「…まあ…、なかにはそーいう人もいるんだなって、世の男性に対する印象は変わりましたけど」
「………まじ律ちゃん」
このお兄さんは私と比べるまでもなく、いろんなことを経験している。
関わってきた人間も多いだろうし、学校で見かけるかぎり同性の友達も多い。
「藍さんは、」
「…なに?」
同性から告白されたことはありますか───、
言いかけたところで「りっちゃーーん!真琴が寂しがってるよーーー!」と、とうとう絶対に断れない呼び出し音が聞こえてきた。
引き寄せられるように私は階段をかけ上がる。
「…俺はたぶん、そんなきみに惹かれてんだろーけど」
瀬戸 律(せと、りつ)、高校1年生。
ここに究極たる一方通行で、絶望的な三角関係ができあがりつつあることに、まだ気づかない───。



