「真琴…、本当に何もされてない?」
「……うん」
「うそだ。浴衣、はだけてるじゃん」
「そ、それは怖くて逃げたからで…。そしたらここまで追われて…、りっちゃんが来てくれたの」
そこで「よかった…」と聞こえた声に、ピクリと眉間が寄った。
「……よかった?」
なにもよくねーよ。
なにが良かった、だよ。
あんたが最初から一緒に祭りに来てればこんなことになってなかった。
なんでずっと隣にいた私を頼ってくれなかったんだよ……真琴は。
「ふざけんな…!!おまえがっ、そもそもおまえが真琴の隣にいないからこうなってんだろーが…ッ!!!」
「りっちゃん…!?」
比べるまでもない大きな背丈。
悔しいくらいびくともしない身体。
だとしても私は柔道部の胸ぐらを掴みにかかっていた。



