「りっちゃんこわいぃ…っ」
「大丈夫、…大丈夫だから」
なんとか背中に庇ったものの、見下ろしてくる影はどうしてどんどん大きくなるのか。
やばい……、震えんなって。
だから空手やっとけって言っただろ。
こーいうときに守れたんじゃないの。
藍さんと一緒なら、まだ何か違ったんじゃないのかよ。
結局なにもできてないじゃん、ねえ。
「今なら大丈夫じゃね?花火始まったし、たぶん誰も来ねーよ」
「そうだな。さすがにちょっと触るくらいしてえよな。浴衣のほう行っていい?」
「じゃあオレ甚平の子~」
笑える。
声を出すことすら、できない。
そのあとを想像したほうが怖かったからだ。
殴られるんじゃないか、殺されるんじゃないか、そんなことばかり考えて。
「さわん、な…」
どうにか真琴だけでも。
真琴…、真琴だけでも助けろよ私……!!



