「真琴、前髪。目にかかりそ」
「えっ?あ~、そういえば伸びてきたかなあ…?切ってくれば良かった…!」
自分の前髪を留めていたピンをそっと外す。
もう真琴に褒めてもらえたから私としては大満足。
「りっちゃん…?」と、戸惑う真琴の伸びた前髪にパチンと留めた。
「これで視界も明るいでしょ」
「明るい!!でもいーの…?りっちゃんのピンだよ?」
「いーよ。こーいうのは真琴のほうが似合うから」
「そんなことないっ!…でも、ありがとうりっちゃん」
「……ん」
歩幅を合わせる。
鈴が転がるみたいに表情が変わる真琴の隣は、なんとも久しぶりな感じがした。
「にしてもさ、上鷹先輩は部活って言ってたけど。試合じゃなくて?」
「うん。部活!」
「……へえ」
部活って。
せめて遅れて来るとかさ、できるだろ。
試合と被ったなら仕方ないになるけど、たかがいつも通りの部活で彼女とのお祭りをキャンセルって。



