『上鷹先輩は部活と被っちゃったらしくてね!だからりっちゃんっ、今年もわたしと一緒に行くぜーいっ!!』
なにしたってお下がりだ。
でも嬉しくない、わけがない。
たとえ彼氏の次だとしても私は素直に喜べる。
「…………」
ただ、個人的にはトチ狂ったことに藍さんを誘おうと思っていた。
真琴は彼氏と行くだろうから藍さん暇だったらどうですか───とか言って。
ごめん、藍さん。
真琴からの誘いに結局はうなずいてしまった愚かさだよ。
「……なんで甚平」
「ちょうど出てきたのよ~。かわいいじゃない甚平も!」
「浴衣を頼んだんだよ私は」
当日までには出しておいてとお願いしておいた浴衣が、どんなに待っても目の前に差し出されない。
とうとう当日になって苦笑いを決め込んだお母さんは「今年はこれで我慢して」とでも言いたげだった。



