中学生のときは、私がお風呂上がりに近所の自動販売機に向かって戻った頃に鉢合わせ、といったパターンがお決まりだった。
当時の藍さんはどこか尖っていて、気軽には話しかけづらいオーラをまとっていて。
しかしとくに最近、私たちが高校に入ってからはイメージを払拭するようにまっすぐ帰宅しているようで。
「んー……俺もかなり本気な感じになってて、今。だからやめたんだそーいうの」
「…本気って…、あー。受験ですか」
「……律ちゃんってほんっと…、なんだろ。とにかくいいよね」
「…は?」
なんか聞こえた気がするけど…。
まあいいか。
そろそろ部屋に戻らないと真琴は今頃「いくらなんでも遅いが過ぎるっ」とか言って、知らないうちに非行に走ろうとしてるかもだし。



