「あっ、お兄ちゃん帰ってきた!おそかったね~!りっちゃんとお話してたの?今日の夕飯はお母さん特製春巻きだよ、春巻き!!」
反対に浮かれ続けている妹は、親友が自分を想って涙を流したことすら考えてもいない。
試合会場ではサンドイッチを渡せなかったごときで泣いていたくせ、今はそんなことスッキリ忘れたような顔だ。
………我が妹ながら、情けないのはこっちだよ。
「おまえさ、もっと律ちゃんの気持ち考えるとかできないわけ?」
「え?りっちゃんの気持ち…?って、なんのことさ!」
「……おまえのそーいう能天気すぎるとこ、ほんとムカつくんだよ」
「まって兄者…、なんでそんなに怒ってるの……?なになに…??」
そーやって空気読めないでふざけてくるところも嫌いだ。
ビョーキだろおまえって、普段は兄貴として味方についている笑えない嫌味すらサラッと言いたくもなる。
どんな気持ちであの子がおまえのサンドイッチ食べて、行きたくもない試合にも一緒に行って、ずっとどんな目でおまえのことを見ていたか。



