学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。

藍side




泣かない子だと思ってたよ。

なにがなんでも涙だけは見せない子だと、ずっと思っていた。



「ほんと……情けな…」



なにが情けないんだよ。
どこが情けないんだよ。

本当の気持ち隠してまで親友を貫くきみが俺はたまに、うらやましくなる。


だってそれは紛れもない、“真琴─俺の妹─への愛”から来ているものだと思うから。



「っ、律…!!俺は好きだよ…!!」


「…………」


「ありえないくらい不器用で、でもっ!誰よりもやさしい…、そんな律だから俺は好きになったんだよ…!!」



いーんだよ、そのままで。

振り向いてくれなくてもいいから、せめてきみがきみ自身を許してあげられますように。


いたずらにもう、自分を責めることだけはしませんように。


震えながら遠ざかっていくその背中に、俺は下手くそに伝えるしかできなかった。