はい安定のコミュ障炸裂。
ってより、このひとがフッ軽すぎるんだ。
正直いうと苦手なんだよな……。
「はは。そんな緊張せんでも」
「……してない、す」
「してるしてる。俺を前にするとほんとガッチガチだもん、きみは」
………やりづらい、単純に。
この和泉 藍(いずみ あい)さんは、私の親友である和泉 真琴(いずみ まこと)の2つ離れたお兄さんで。
もちろん私とも同じ年齢差。
高校1年生の私たちと、高校3年生の藍さん。
「俺のことケッコー嫌いでしょ」
「はい。………あ」
「はははっ!ごめ、そんな即答されるとは思わなくて、むり、はははっ」
「……水、のみます?」
「あはははっ!それ追いうち、ヤバ待って、くくっ」
和泉家がお隣さんに引っ越してきたのは約2年前のこと。
当時は中学2年生の真琴と、高校1年生の藍さん。
最初はご近所付き合いから始まって、今ではお互いの親までも仲の良い関係だ。



