「っ…、うぅっ、」
「まこと、」
「マネージャーさんからの…っ」
「…うん?」
「ハチミツにね、レモン漬けたやつ…、前は食べてたもん……っ」
それだけで泣くんだ。
それだけで泣いていいなら、私なんかとっくに号泣だよ。
くるしいよね、せつないよね。
他のひとに向けてるものが自分には向けられないって、つらいでしょ?
「んなら私が食べてやる」
「わっ、りっちゃん…?これ上鷹先輩のっ」
「そんなんいーって。ダメなんだろ。だったら私にちょーだいよ」
これくらい、ちょーだいよ。
お下がりでいいからちょうだい。
譲られたものでも私は喜んで食べるよ。
真琴が手にしていたサンドイッチを無理やりにも奪って、ガブッと強引にかじる。
「うっま。天才すぎ」
「っ、りっちゃん……、まじぃ?」
「まじ。ほら真琴も食べよ。じつはおまえがいちばんお腹空かせてんの知ってんだからな」
「ハッ!バレてた!!食べる!!!」
ごめん藍さん。
好きな子が隣で泣いてたら、そこまで気は回らない。



