学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





奪ったってより、私があげたんだ結局。


分けあって半分こしたってのに、私が持った片方のほうが美味しそうに見えたとか言って。

真琴は私のほうをパクっと食べてきた。



「かわいかったな…」


「え?」


「っ!いやっ、これ、シンクに置いときます」


「ああ、わざわざいーのに」



ドクドクドクと、犯罪でも犯してるのかってくらい暴れだす心臓。


罪悪感、背徳感、疎外感。

キモチワルイ……、
こんな自分が、気持ち悪い。



「そういえば高校にはもう慣れた?」


「…………」


「律ちゃん?」


「っ、あー…、すごく楽しそうにしてますよ。私と同じクラスだし、おなじ学校に藍さんもいるから安心してるんじゃないですかね」


「うん、ごめん。俺はあの5歳児のことってよりかは律ちゃんのことを聞いたつもり」


「……私も真琴と楽しく…まあ、はい」