新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜

そ、 それって、 やっぱり凄い事だ。
思わず目を見開いて、 ペンダントヘッドと高橋さんを交互に見てしまっている。
「だとしたら……買って帰ってもいいかなと思ったし、 きっと日本で買ったら……というか、 ルースその物は日本には入ってこないわけだし。 これと同じレベルのものが果たして加工されたものとして、 ペンダントないし、 リングとして日本にも入って来るかどうかも、 皆無だったし……」
「でも……」
「ん?」
高橋さんの話しの途中で、 口を挟んでしまった。
「ルースで買うって事は……それプラス加工料が掛かるって事ですよね?」
それぐらいは私にも分かったので、 何だか逆にこちらが心配になってきてしまって……いったい高橋さんは、 この石をいくらで買ったんだろう?
「さあ……どうだろう? でも、 希望通りに店に持って行ったら加工してくれた。 一見すると、 石の周りに何も飾り石がないから寂しい感じに見えるかもしれない。 でも、 俺はこの石だったら周りにダイヤとか何もいらないと思ったんだ。 この綺麗な色は、 このままの方がいい。 この石のように、 透き通ったネオンブルーのような心を持っているお前には……な」
「高橋さん……」
加工料の事は、 はぐらかされてしまった。
「あの時、 店員さんが教えてくれたんだ。 この石に由来する言葉は……希望。 いくつか候補はあるけれど、 最初に掲げた言葉が希望だった」
「希望……」
無意識に、 口に出して復唱していた。
「そうだ。 希望。 俺は、 その時思ったんだ。 もしかしたら、 虫が知らせたのかもしれないな。 この先、 もしも困難にぶち当たった時に、 お前が俺に希望をくれたら、 これをお前に渡そうと思っていた」
「高橋さん」
「それと……」