チラチラこちらへ向けられる視線は冷たく鋭い。


森里さんは分かりやすく私を敵視している。


きっと私が白虎の姫になったことが気に食わないんだと思う。


「…俺に話しかけないでくれる?」


「え?」


「性格の悪い女とは話したくないんだよね」


最近知った大くんの一面。


白虎以外の人へはとてつもなく冷たいこと。


ニコニコしながら話しかけてくれた初対面の時のことを思う、未だにこのギャップには慣れない。


「性格悪いって、どこが?そんなことないよ?」


愛想笑いを浮かべて必死に取り繕う森里さん。


私の机を蹴り飛ばしたところを見られていた事を知らないんだ…。


「え?森里が性格悪いのってこのクラス共通の認識なんじゃないの?」


プッと笑って私の隣の席に腰を下ろす。


森里さんは、筆箱やノートを取り出す大くんの隣でワナワナと震えている。


女子のボスと男子のボスが対立し、教室の空気は凍りつく。