昨日撮った写真を見せる。


アイツは撮られたことに気づいてなかったけど、俺が写真を残さないわけがない。


それと、ネックレス。


「なにこのネックレス」


「メビウスの輪?」


この2つを手がかりにシロの素性を探りたい。


「無理やり奪ったの?」


「んなわけねぇだろ。アイツが落としてたから拾っただけ」


「ふーん。まぁなんでもいいけど、これでどうやって探せってんだ。無理だろ」


「だな。諦めろ仁。俺らは探偵じゃねーんだ」


「いや、絶対突き止める」


あの女が気になる。


圧倒的な美人顔で誰も寄せ付けない特殊なオーラ。


ずば抜けた身体能力、鋭い思考、言葉の端々に見られる明晰さ。


あんな奴を敵に回しておくのは危険だ。


「てかめっちゃ美人。どこにいるんだろーシロちゃん」


「活動頻度にムラがあるのが気になる。アイツは絶対裏に何か秘密を抱えてる」


世の中すべてをバカにしていそうなあの冷めた目。


過去になにかあった人間の目だった。


「珍しいね、仁が人に執着するの」


「あぁ。久々にこんな感情になった」


アイツのことが知りたい。


アイツの本性を暴きたい。


絶対に。