「昨日噂のシロに会った」


倉庫の幹部室にて昨夜の出来事を話すと、幹部たちからは三者三様な反応が返ってきた。


「2週間毎日待ち伏せしてた執念がすごいよ」


「シロは玖蘭の総長と組んでるって噂があるから、仁の行動は間違ってはない」


「守谷怜(もりやれい)だっけ。アイツが女と組むイメージはないけどな」


玖蘭総長、守谷怜。


俺の宿敵。


汚い手で俺をハメて、俺に唯一傷をつけた因縁の相手。


左肩には今でもその時の傷跡が残っている。


「シロは女だけど女じゃない。男を回し蹴りして一撃で潰すのをこの目で見た」


守谷に並ぶほどの強敵かもしれない。


「で?俺らに話したってことは何か目的があるんだろ?」


「シロの素性を探りたい」


「シロの素性…ねぇ。探るってどうやって?」