「あ。あの子がそうじゃない?噂の地味子」


「へー。なんでうちの高校選んだんだろうね」


「それな。地味女には絶対合わないっしょ」


後ろ指を指されているのを感じながら、早足に桜並木を歩く。


桜台(さくらだい)高校は、いわゆる陽キャたちが集まるパリピ高校。


ヤンキーも多く、県内有数の危険な高校だと言われている。


そんな高校になぜ、ドがつく根暗女が入学してしまったのか。


単純に、頭が悪くて良い高校に行けなかったから…なんだけど、もう少し努力して別の高校に入るべきだったと、入学1週間にして後悔の嵐。


ただでさえ人見知りなのに、クラスメートたちが怖くて話しかけることなんてできないし、コミュ力おばけの人たちしかいないからあっという間にグループができあがってるし…。


根暗な私には入る余地無し…。


帰りたい…。


学校…行きたくない…。