「私たち、双竜会の『姫』の座を狙ってたのよ。」
……は?
「御神楽先輩、めっちゃイケメンだし、今勢いのある双竜会の総長だし、恋人になれたら激アツだねって。」
ゾッとした。
双竜会がどんなところかも知らないでそんなことを言っているのだろうか。
この人たとは、自分の命を相当軽く見ているのか。それとも単に馬鹿なのか。
「で、正規ルートで行っても姫になれる確率なんて万に一つでしょ?だから花梨と菜花に協力してもらって、御神楽先輩を襲ったの。」
襲った???
意味が飲み込めずに困惑する。
「三人がかりで取り押さえて、ヤッちゃえばいいと思って、あはは、おっかしい!」
速水はつくづくおかしそうに笑った。
心の底から気色悪いと思った。
なんで嬉々としてそんな黒歴史を語れるのだろうか。
吐き気がする。
「結局失敗しちゃったんだけどね〜。取り押さえても逃げられちゃった。」
ねー、と三人で目を見合わせて下品に笑っている。
この調子だと、竜司くんは手荒な抵抗はしなかったようだ。
「まぁ、結局失敗して正解だったよ。」
速水は肩をすくめた。
「本当に姫になってたらめっちゃ大変だろうし。あんなクズの恋人にならなくて正解。」
………は?
また酷く驚いてしまった。
キーンと耳鳴りがした。
クズ?竜司くんが?
「うんうん、暴力的で怖いしー。」
木崎がニヤニヤと笑って言った。
