傷痕に咲く 〜パティシエ総長と歪な少女〜


知らないうちに、大切な友達になってしまっていたのだ。

瑠衣は人情に厚い男だ。

瑠衣だからこそ、彼は双竜会で総長に重宝され、副総長にあたる立場を有している。

彼は一度仲間と認めた者を絶対に裏切らない。

身内を誰よりも大切にする男だった。

身内が苦しめば、瑠衣も共に苦しんだ。

普通の人より頭一つ抜けたエンパスで、それが彼の美点であり、同時に彼はそれに苦しんだ。


「瑠衣、ありがとう。」


竜司が頭を下げた。

瑠衣は小さく会釈して、走り去った。

女々しいと言われることも多い瑠衣だが、世界は彼のような人を一番必要としているのかもしれない。