傷痕に咲く 〜パティシエ総長と歪な少女〜


ゴン!!!!!


突如、脳天に大きな衝撃が加わった。


「ゴタゴタゴタゴタうっせぇーんだよ!!!」


ふらっとよろめく私を、母親の追撃が襲った。


「なんでお前はもう少しマシなガキに生まれてこなかったんだよ!!!気持ちわりぃんだよ昔から!!!その目!!!その顔!!!」


蹴り飛ばされても避ける気力がなく、地面にうずくまったままされるがままにされていた。

痛い。体中が痛いが、それ以上に心が痛かった。

何もない心が、空腹時の胃のようにキリキリと痛んだ。

声も出ないまま泣き、顔がぐちゃぐちゃになった。

一人の女の蹴りなど我慢できないほど痛くはない。

ただ、どうしようもない空虚な感情が胸を満たし、また、それが悲しかった。


「たす…けて……竜司…くん……」


誰にも聞こえない、小さな声で呟く。

彼はこんな弱くて無様な私でも守ってくれるのだろうか。

流石にこんな私を見れば愛想を尽かすのではないか。

竜司くんのことを考えると、胸がギリギリと痛んだ。

キュン、なんて可愛らしいものではない。

体が千切れるような、発狂して暴れ回りたくなるような、持て余すほどに大きすぎる感情だ。

その感情の正体は分からないけど、これを恋と呼ぶなら、私の心が耐えられない。

彼の「好き」すら理解できない私が、彼に対してどのような感情を抱けばいいのだろうか。