傷痕に咲く 〜パティシエ総長と歪な少女〜

キュッと眉をひそめ、口を引き結んだ。

そして次に口を開いたとき、彼女は言った。

『それはあなたの家の問題でしょう。』

私は絶望した。二度と教師を信じないと誓った。

いつも優しくて頼りになる先生だった。

そんな人でも生徒の家庭の問題なんて面倒臭いと思っているのだと気づいた。

子供だから分からないと思っていたのだろうか。

しかし子供は想像以上に鋭い。

私は徐々に人間不信になり、心を閉ざしていった。

「死にたい」と思うようになったのは、思えばその頃からだった。

自分の存在意義すら見出せなくなった。

それでも残酷に季節は巡り、親の暴力はさらに過激さを増し、暴言も酷くなった。

しかし不思議なことに、段々と私は辛くなくなってきていた。

心が鉄のように固くなり、諦めが良くなった。

無駄なことが 分かるようになった。

抵抗は無駄、相談は無駄、攻撃も無駄。

すべての感情を抑え込むことで耐え忍んだ。

愛も優しさも楽しさもいらないから、感じなくなってしまえばいい。

常に何も感じなければ、痛みも感じなくて良いのだから。

嘘の笑顔を貼り付けて、無難に生きればいいのだ。


そうやって抑えに抑えた私の感情は、発散どころを見失い、ブーメランのように私に向かってきた。