傷痕に咲く 〜パティシエ総長と歪な少女〜



「あの人の『大事』と俺の『大事』は多分違うんだ…」


意味がわからず首を傾げる。


「あーほらさ、俺はお前のことが一人の友達として大切なんだ。……たとえばさ、お前がふっと消えてしまったら、俺は悲しい。ただ、それ以上でもそれ以下でもないんだ。」


それは私もそうだ。瑠衣が突然消えてしまったら悲しいだろう。


「竜司さんはさ、なんというか、そのー、あー、本当になんて言ったらいいんだ…」


瑠衣は頭を抱え出した。


「だからさ!そのー、さあ!ね!?察してよ。」


ふふっと笑ってしまう。

瑠衣はいい友達だ。

蓮とおんなじ。

その明るい表情を見ていると、心がひだまりのように暖かくなる。

太陽みたいな人だ。


「ごめん、私には違いがよく分からないけど。でも瑠衣の気持ちはよくわかった。瑠衣が友達でよかったよ。」


瑠衣が目を見開く。


「あー、それ!ちょっといつものツナちゃんぽい!」


頬を触る。

表情筋が多少ほぐれた気がする。


「じゃあもうちょっと話す?」


瑠衣の言葉に頷く。

自然に笑えているだろうか。

でも瑠衣が安心したような顔をしたのを見るに、それなりの顔ができているのだろう。


「じゃあさ、とっておきのニュースがあるんだ。」


瑠衣の顔が突然生き生きしだした。


「何?」

「実はさ」