まるで亡霊だ。
四方八方に跳ねる髪を櫛を使って何とかまとめると多少マシな風貌になった。
顔を拭き、水を一口飲み、Tシャツの上からカーディガンを羽織る。
そのまま震える手でそーっと扉を開く。
「やあ」
制服姿の瑠衣と目が合う。
いつものように屈託のない笑みを浮かべていたが、私の酷い顔を見るとすっと真顔になった。
「入って。部屋から出たくないの。」
そんな瑠衣を手招きして、部屋に招き入れる。
しばらく躊躇っていた瑠衣も私がベッドに座り込んで出てくる気配がないのを感じ取ると、渋々といった様子で部屋に入ってきた。
「その椅子座っていいよ。」
勉強机の椅子を指さすと、瑠衣は黙って椅子を私と向かい合う形に持ってきて座った。
暫しの沈黙。
口を割ったのは瑠衣だった。
「どーしたのツナちゃん、見るからにヤバいじゃん!」
「………最近体調が悪くて。」
「病気?」
「わかんない。」
瑠衣が心配そうに首を傾ける。
「何か辛いことでもあった?」
「……わかんない…何も分からないの。」
「何がしんどい。心?体?」
「…多分心。」
瑠衣は表情を変えなかった。
初対面の頃のノンデリ具合の瑠衣なら今の私に愛想尽くしてイライラしているだろう。
私たちも随分と仲良くなったものだ。
