傷痕に咲く 〜パティシエ総長と歪な少女〜

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コンコンコン

部屋の扉がノックされる。

その音にゆっくりとまぶたを持ち上げる。

カーテンの隙間からは日光が差し込んでいる。

手元のスマホの電源をつけてみると、時刻は午後四時だった。

信じられない、一体何時間寝ていたのだろう。


「ツナちゃん?」


聞き覚えのある声に背筋が凍る。

まさか、なんで。


「起きてる?ツナちゃんと話したいんだ。」


心拍数が上がってどっと冷や汗が噴き出した。


「ドア越しでもいいんだけど。」


応えるべきか否か。

葛藤の末、私は声を絞り出した。


「何…瑠衣。」


扉の向こう側の気配が驚いたように硬直したのが感じられる。


「良かった、死んでんのかと思った。」


心底安心したような、力の抜けた声が聞こえてきて、思わず笑い声が漏れる。


「ねえ、ちょっとだけ話したいんだ。……心配なんだよツナちゃんのことが。小太郎が、ツナちゃんが部屋から出てこないって言ってた。」


そうか、あさがお園に訪ねてきたのか。


「……ちょっと待ってて」


重たい体を引きずるようにしてカーテンを開け、櫛で髪を梳く。

ずっと寝ていたのに鏡に映る自分は酷くやつれた顔をしていた。


「最悪のビジュアルだ…」


目の下の隈、皺だらけの部屋着、ボサボサの髪の毛、青白い顔色。

こんなに不健康オーラを醸し出していていいのだろうか。