突如、倉庫の扉が開け放たれた。
そして、カツカツと足音を響かせながら誰かがこちらへ歩いてきた。
驚いて竜司くんに目配せするが、竜司くんが焦る様子はなかった。
「やあ、うちの馬鹿が迷惑かけたそうだね。」
姿を現したのは、一人の男だった。
細身で、竜司くんほど長身ではないように見える。
横から照らされた顔は微笑んでいて、優しい印象だったが、眼光は鋭かった。
そして左手で男の首根っこをつかんでいる。
「まったくだ。身内に何をしてくれたんだ。神谷」
竜司くんが低い声で答えた。
「ごめんって。」
神谷と呼ばれた男はそんな竜司くんのことを軽くあしらいながら倒れている男たちを見渡した。
「起きろって、ザマァねえな。」
神谷は手近にいた男の頭を蹴り飛ばした。
うめき声を上げてその男は起き上がった。
「君は、木村だね。なんでこんなことになっているか吐いてもらおうか。」
木村という名の男はハッとした顔をした。
「神谷さん!す…すみません…」
「違う違う、謝罪を聞きたいんじゃないんだよ。説明しろって言ってんの。何故双竜会に手を出した?」
ニコニコと微笑んでいるのに、目はゾッとするほどに冷たい。
「お、俺は…知らなかったんです。あの女が双竜会の姫だなんて。ただ命令されて……」
木村はしどろもどろになりながら答えた。
「そう、命令したのはコイツかな?」
神谷がずっと引きずっていた男を木村の目の前に差し出した。
「あぁ!」
思わず声が出てしまった。
