すたっと後ろで音がした。
振り返ると、そこには倉庫の荷物を飛び越えてきたであろう慎吾がいた。
「今拘束解きますからね。」
そう言うとすぐにナイフでザクザクと私たちを拘束する縄を切った。
自由になった両手首を動かしてみるが特に痛みなどはない。
そのまま体中を触って調べてみるが、特に酷い痛みは脇腹のみで、殴られた箇所も打撲で済んでいるようだ。骨折はおそらく一つもないだろう。
ゆっこの方もあまり痛みなどはなさそうで、すぐに立ち上がった。
私たちの無事を確認した慎吾は次の瞬間、竜司くんと同じように鉄パイプを握りしめて戦闘に加わった。
インテリっぽい人が鉄パイプを振り回しているのは中々の見ものだ。
慎吾は双竜会の金銭面を管理していると聞いていたが戦闘もできるのか。
思わず感心してしまう。
二人は見る見る相手を倒していき、あっという間に立っているのは竜司くんと慎吾の二人だけとなった。
息を切らした二人が薄暗い倉庫の中に佇むのは、とても綺麗だと思った。
「あれ、もう終わったの、すごい。」
またもや荷物の上からスタッと飛び降りてきたのはふわふわの髪の毛。瑠衣か。
床に横たわりながら呻く男一人の頭を踏みつけた。
お、オーバーキル…
「あれ、ツナちゃん……って酷い顔。」
瑠衣は私を見とめるとバケモノを見るような形相をした。
そんな顔しなくたっていいじゃないか。
とはいえそのおどけた顔の裏に心配が滲み出ているのが分かるから口には出せなかった。
