突如、扉が開いた。
重そうな音と共に外の光が差し込んでくる。
その扉の構造と照らされた室内を見て、なんとなく思っていたことが確信に変わった。
ここは何かの倉庫らしい。
光と共に長い棒状のものを持った男が飛び込んでくるのが分かった。
あり得ないほど速い身のこなしで積まれた荷物を飛び越え、あっという間に私たちの近くに辿り着いた。
「単騎かよ!?」
男たちが叫んで各々武器を取る。
そんな言葉には耳も貸さずに飛び込んできた男は棒で一人の男を薙ぎ払った。
近くで見るとその棒はどうやら鉄パイプらしい。
「竜司くん…!」
ああ、本当に来てくれた。
頼もしい姿の彼は私を一瞥するといつもの柔らかい笑みを口元に浮かべ、鉄パイプを構え直した。
「てめぇ…!どこの『姫』に手ぇ出してんだ!!!!!」
竜司くんが吠えた。
ビリビリと空気を震わすような声だった。
同じような体格の武器持ちの男複数人を相手に全く怯む様子はない。
「姫」
その言葉に明らかに動揺する男たち。
この前、「姫」について質問した時に壮助が言っていたことを思い出した。
『組織全体で守ると決めた女性のことっすかね…。基本的には総長の恋人っすけど。』
竜司くんありがとう。姫というのがこの場での咄嗟の嘘でも、私は嬉しい。
でも、嬉しさと同時にこの胸を締め付ける苦しさは一体なんだろう。
