「離せよ…!」
蓮を掴む男の顔面を殴る。
パキッと嫌な音がして、男が呻き声を上げて蓮を離した。
かがみ込む男の腹にすかさず蹴りを入れると男は吹っ飛んで電柱に背中を強打した。
そのまま急所を数回蹴り飛ばすと男は動かなくなってしまった。
休んでいる暇はない。
振り向きざまにゆっこを捕らえた男の股のあたりを蹴り上げる。
急所一直線だが力で劣る私が蓮とゆっこを助けるためにはこうするしかないのだ。
変な叫び声をあげて思わずゆっこを手放した男がこちらを振り向いた瞬間、その顔面を思いっきり殴り飛ばす。
私の拳もビリビリ痛むが、相手の顔が歪んだのがスローモーションのように見えた。
その隙を逃さず相手の鳩尾を正確に蹴る。
無様に仰向けに倒れようとする男を何度も蹴った。
その瞬間、視界の端に飛びかかってくる最初に私を捕えようとした男が映った。
肘を突き出したまま体をおもいっきり回転させると肘が鳩尾にクリーンヒットし、その男はよろけた。
そのまま急所を蹴り上げ、何度も殴ると体のあちこちから骨が折れるような音が響いた。
「凛!!逃げて!!」
突如響き渡る蓮の大声。
ゆっこが青い顔をしてこちらに走ってくる。
後ろから物音。
慌てて体を反転し、後ろを見る。
「あ、無理…」
5人くらいの男が一斉に私に向かって走ってきていた。
「凛!危ない!」
ゆっこの声がスローモーションのように聞こえる。
あ、と思う間もなく私の体が宙に舞った。
