大きな頼りがいのある背中と、華奢な背中。
「ゆっこ!蓮!」
反射的に呼び止めてしまった。
制服に身を包んだ二人は驚いたように振り返って私を認めるとパッと微笑んだ。
「凛〜!」
「さっきぶり〜!」
「二人とも部活?」
「ううん。私は委員会。蓮は部活のミーティングだってさ。だからちょっと帰りが早いの。」
「ひえ〜帰宅部の私にはこの時間帯を早いって言える二人が化け物に見えるよ。」
「言い過ぎだよ凛っ!」
いつものように談笑しながら帰路に着いた。
何百回と通って見飽きた通学路を三人でゆっくりと歩く。
人の少ない路地に入ると空もだんだんと暗くなり、街灯が一つ二つと灯り始めた。
住宅の窓にも明かりがつき始め、夕食の美味しそうな匂いが漂ってくる。
「うーんお腹すいた。夕飯なんだろうな。」
「ゆっこは食べ物のこと考えている時が一番幸せそうだね。」
しかし私はこの時周囲を警戒していなかったのをひどく後悔することになる。
バサッ!
突然後ろから音がして、首に手を回される。
「…っ!」
反射的に後ろの人の腕をくぐり抜け、地面に転がった。
「嫌!やめて!」
「誰なの!?」
反応の遅れた蓮とゆっこが黒い服を着た大柄な男にそれぞれ羽交締めにされているのを視界の端にとらえたとき、私の体が自然に動いていた。
