「竜司さん…それ、犬すか…?」
あれから1週間ほどが経過し、子犬4匹は欠けることなく回復した。
健康面でも何ら問題は無かったらしく、ワクチンの接種などを済ませ竜司くんの手に渡った。
子犬を受け取ったその足で双竜会本部まで来た竜司くんを壮助が訝しげな顔で出迎えた、今がその瞬間だ。
私は今日たまたま双竜会にいてカザミと戯れていたが、カザミも子犬の匂いを嗅ぎつけたらしく、しきりに竜司くんの腕の中のケージを覗き込んでいる。
「犬だが何か?」
「あ、いえ、別に…」
「大丈夫、まごうことなき犬だ。エイリアンじゃないぞ。」
「いや、そういうことじゃ…」
そりゃあ、突然子犬4匹だなんてびっくりもしますわ。
壮助に同情しつつ、カザミを自分の体に寄せる。
カザミが穏やかな性格なのは知っているが、何か事故があってからでは遅い。
しっかりと白い毛並みの生き物を抱きしめた。
「あと凛ちゃん、君なんで双竜会に馴染んでいるんだい?危ないだろ。」
「大丈夫、いざとなったら壮助を盾にするから。」
「ちょ、凛さん…!?」
そんな雑談をしつつ、竜司くんがケージを床に置き、扉を開けた。
その瞬間勢いよく飛び出してくる黒色の塊が二つ。
片方はよく見る普通の黒柴、片方はどういうわけだか顔の白い模様がやたら小さく、ほぼ真っ黒だった。
わんわんと甲高い声で鳴き、カザミの周りをぐるぐると回る。
それに対してカザミは特に興奮する様子もなく、私が腕を離しても問題なさそうだった。
