「………ローレンスさん?」
部屋の前にいたのは、
ティファニー家の使用人の
ローレンスだった。
金髪のロングヘアー。
筋の通った高い鼻に、
ふっくらと唇。切れ長の目。
鼓動がドクドクドク…と早くなる。
ローレンスは、私が少し気になっていた男の人だった。
初めて会った時から━━━…
「アンナさん、紅茶をお持ち致しました。」
コト………
そう言いながら、小さいサイドテーブルにティーカップを静かに置く。
「ありがとうございます。」
「いえ、おやすみなさいませ………」
と、丁寧に一礼をするあなた。
そして、ローレンスは部屋を出ようとし、ドアノブを握ると………
一瞬動きが止まった。
「…どうしました?」
すると、ローレンスは私の方に振り返る。


