それから、元の世界へ帰るまでの間、わたしとサーヤ姫は、仲良く療養した。
いっぱいガールズトークもしちゃったもん。
やっぱりサーヤ姫が移植前に泣いていたのは、マスターからプロポーズされたからなんだって。
『子どもがいなくてもいいではないか。サーヤだって捨て子だったのに、こんなに皆から愛されて育った。血のつながりなどなくても、私とサーヤとで家族を作れば、きっと幸せになれる。だから、サーヤが元気になったら、結婚しよう』
そんなこと言われちゃったら、どんな女子でも舞い上がっちゃうよね!
「いいな、いいな! マスターと末永くお幸せにねっ!」
「実は問題があるのですが......」
「なにっ? わたしで良ければ何でも相談にのっちゃうよ!」
「アンドリュー王子とシン王子に、どうお断りすれば良いのか......」
確かに。あの二人、命がけで人面瘡になる位、サーヤ姫にほれてたもんね。
でも、これは結構簡単かもね。
「病気で子どもが産めない体になりました。だから世継ぎは期待しないでください。でも、側室は認めません。私だけを愛してください。それでも良ければ結婚します。ダメならそっとしといてくださいって手紙を出せば?」
「......なるほど! それ、採用いたしますわ!」


