異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~


『自分に一目ぼれした王子様達が、今の自分を見たらどう思うだろう......』

 もしかしたら、サーヤ姫はそれが心配なのかな?

 女の子だもん、当然気になるよね......。

「あのね、サーヤ姫。わたしたちは、ここの世界とは違って、医学や科学が発達した世界から来たの。わたしと健斗君の考えが正しければ、サーヤ姫の病気の原因はこれだって言うのが、さっきわかったの! 治療法もちゃんとあるから、元気になれるはず! だから、安心して」

 マスターが後に続いて説明する。

「健斗が言うには、サーヤの体の中に、沙也の『元気な血の基』を入れると、この病は治るそうだ。サーヤと沙也は同じ体を持つから、それができるらしい。これにかけてみようと思うが、いいか?」

 手を握ったままのマスターが、サーヤ姫の顔を覗き込む。サーヤ姫が、わたしの顔をチラ見して、ちょっと恥ずかしそうな表情になった。

「マスターが望むなら、私もそれに賭けます」

「サーヤさえ元気になってくれたら、他には何もいらない......」