ブレザーを着た高校生?
わたしよりかなり大きい。
整った顔立ちで、きりりとした涼しげな目元。イケメンと言われそうなタイプなんだけど、アクセサリーをじゃらじゃら付けているのが気になる。
ピアスかイヤリングかわからないものを、両耳に二~三個ずつつけている。
首には大きな白い石の付いたチョーカー。それとおそろいのブレスレットも見えた。
青い宝石のついた指輪を両手の中指に光らせている。
な、何者?
「いきなりごめん! いやあ、可愛い女の子につい手が伸びちゃっ......」
最後まで言わせず、わたしもついバシッと手が出た。
「ついって何! このヘンタイ!」
美奈もおどろいて、わたしの手を取って席を立った。
「沙也! もうここ出よう! こんなヘンタイにかまっていたら危ないよ!」
「ちょ、ちょっと待って! あのさ、これには深~い訳があって......」
今度はわたしの手をにぎってきた。
何なの、このチャラ男......いや、全身にアクセサリーをじゃらじゃらさせてるからジャラ男って呼ばせてもらうわっ!
「離さないとおまわりさん呼んじゃうんだから!」
わたしが携帯を取り出したその時、ジャラ男がそれまでと違って、ぞくりとするような雰囲気をまとい、つぶやいた。
「君、両肩にとりつかれてるよ。早く何とかしないと、大変なことになりそうだったから。オレ、見えるんだよね、いろんなものが」


