異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~


「あれは確か、三代前の巫女姫の時に、錬金術師から献上されたもの。原因は、あれかっ!」

「錬金術? どうやって錬金されたんですか? それより、そのティアラは今、どこに?」

 健斗君が驚きの声をあげた。

 もちろん、わたしもびっくりだ。早く何とかしなきゃ!

「地下の宝物庫の中の一番奥、黄金の宝箱に保管してある」

「地下、黄金......きっとそれが、不幸中の幸いだったんだろうな。金がティアラの放射線を遮断していたんだ。とにかくそれはもう、絶対に使わないでください!」

「あれは、神聖なものであるから、巫女姫以外は使うどころか、触ることすら許されていない。サーヤにそんな危険なものを使わせていたとは......」

 マスターは、しばらくの間、呆然としていた。

 それから、わたしと健斗君に説明してくれたのは......。

 腕の良い、若い錬金術師のグループが、なんとゴミの山から光る石を錬金することに成功したらしい、という話だった。

 その光る石で装飾されたティアラが、巫女姫に献上されたとのこと