ど、どういうこと? 被ばくなんて、普通の生活ではありえないよ!
「えええっ! 被ばくって? 何か近くにそういうものがあるの?」
「そういうこと! 早く探さないと、もしかしたらオレ達も危ないかも知れない。いや、オレはこんなんだから大丈夫か......。沙也ちゃん、ヤバいぞ!」
「うん、ヤバい!」
「何の話かさっぱりわからないのだが」
マスターも慌てて話に割り込んできたので、さくっと説明する健斗君。
健斗君、さすが超進学校の生徒だけあって、博識だった。
健斗君の大ざっぱな、だけどわかりやすい『被ばくと白血病』の説明に、マスターがいちいち感心している。
「......つまり、サーヤの身の回りに、その病気の原因になるようなものがあるかも知れない、ということなのか?」
「そうです。もしかしたらこの部屋にあるかも知れないから、それだとマスターも沙也ちゃんも危ない。場合によっては、この国の人みんなが危険だ! 歴代の巫女姫が身につけるものとか、巫女姫の身の回りに置いてあるもので、何か心当たりは?」
しばらく考えていたマスターが、何かを思いついたようだ。
「あるとすれば、祭祀に使うもの......ティアラ、だろうか?」
マスターの顔色が変わった。


