光る石


 健斗君の言葉に、わたしは心底驚いた。

 歴代の巫女姫がかかる謎の病気。

 サーヤ姫は半年前、それになった。

 アンドリュー王子によると、サーヤ姫が巫女姫としてデビューしてからまだ一年。巫女姫になってから、病気になるまでたった半年だったんだ......。

 何か原因があるとしたら、やっぱり巫女姫に関係すること、なんだよね?

 マスターが、ささやくような小さな声で言った。


「サーヤの前の巫女姫二人も、同じ病だった。疲れがなかなか取れず、養生させてもめまいや熱が続いた。体のあちこちにあざができたのもそのころだ。そのうち、起き上がれなくなり、次第にやせ細っていった。そこで、強い薬を調合して与え、二人は何とか回復した。しかし......サーヤは今、病気と薬の毒に負けそうなのだ」

 マスターの悔しさもわかる。

 目の前で、巫女姫達がみんな病気になってしまうなんて。

 サーヤ姫の病気だけは治せなくて、最後の手段がわたしだったんだ。

 わたしがマスターの心情を考えていたその時、健斗君は全く別の事を考えていたらしい。