異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~



 そんなある日のこと。

 友達の美奈(みな)とドーナツ屋さんでおしゃべり。

「......で、進路はどうするの、美奈?」

 親友の美奈と、ドーナツ屋さんでカフェオレのおかわりを待っている間に何気なく聞いた。

 だって、美奈とは中学入学からの付き合い。我が家の複雑な事情も、美奈にだけはさらっと伝えている。今、私と一番仲のいい友達は間違いなく美奈。

「ん~、まだ高校に入学したばっかりなのに、もう進路調査なんて言われても、わかんないよね。とりあえず大学でカッコいい彼氏でも見つけようかな?」

「あれれ、おとなりにあこがれのお兄さんがいるんじゃなかったっけ?」

「だって、相手にしてもらえないんだもん。やっぱり、五歳上って大きいよ。......それより沙也はどうするの?」

「わたし? わたしは......」

 と答えようとしたその時。

 背後からわたしの両肩に、にゅうっと大きな手が伸びてきた。

「ぎゃあ!」

 いきなり伸びてきたうでを払いのけて後ろを見た。