異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~




   わたしの体と巫女姫の魂


 お風呂から出たわたしは、メイドさん達に着替えさせられ、さっきのマスターと同じ格好になった。全身真っ白なローブに、頭からフードをすっぽりかぶせられて、マスク着用。

 手首のリストバンドが濡れたままで気持ち悪いから、外して乾かしてもらう。

 メイドさんをおどろかせたくないので、健斗君は左手でかくした。

「このまま、二階のサーヤ姫のお部屋へどうぞ」

 そう言われて、さっきの場所へ。

 らせん階段を上がって、マスターが出入りしていた部屋を目指す。

 ドアの前に来た。

 ここに、サーヤ姫がいるんだ。わたしとそっくりな、でも違う人格、別の人生を歩んだ女の子。

 今は病と闘っているサーヤ姫......。

 会うのが怖い。

 でも、行かなくちゃ。

 わたしはサーヤ姫の命を救うためにここへ来たんだから!


 ドアを二回、ノックした。

 中からマスターの「お入りなさい」という声が聞こえる。

 健斗君を見ると、小さくささやかれた。

「沙也ちゃんには、沙也ちゃんの人生があるんだ。自分をぎせいにすることはないからな!」

「うん」