わたしとサーヤ姫は、確かに似ているのかも知れない。
容姿がそっくり。この小さな身長も似ていると言われている。髪の色、目の色、何もかもそっくりだと。
年齢も同じ。もしかしたら、誕生日や血液型も一緒だったりして。
親から捨てられたのも、同じ。ここまで同じじゃなくてもいいのにね。
わたしは今までたくさんみじめな思いをしてきて、死にたくなったりもした。
サーヤ姫は今までたくさんの人に愛されてきたのに、このままではあとわずかな命。
わたしに与えられた試練は『環境』で、サーヤ姫に与えられた試練は『病気』だった。
この試練を乗り越えた時、本当に幸せになれるってシン王子が言ってたっけ。
わたしが行って、何ができるのかわからないけれど、わたしとサーヤ姫が幸せになるためには、それしか方法がないらしい。
馬車は走る。
おとぎ話のような街並みを抜け、田舎道を通り過ぎて、深い森の奥へ......。


