手渡されたのは、五芒星のマークがついたネックレス。この神社で私もお正月にお守りとして売っていたもの......あれ?
「デザイン、変わったんですか?」
私がそう聞くと、健斗君のお父さんは笑って教えてくれた。
「これはね、特別なネックレス。社務所に置いてある一般向けとは違う、スペシャル仕様だからね」
「もらっちゃって、いいんですか?」
「もちろん。信じて使えばちゃんと守ってくれるよ」
「ありがとうございます! 大事にしますね」
そして健斗君に案内されて向かったのは、社務所のずっと奥にある、離れの和室。調度品がごうかで、お風呂とトイレとミニキッチンもある。テレビで見たことのある一流の旅館みたいなお部屋だった。
「ここ、祈祷で使ったり、大事なお客様の寝室として使ってたりするんだ。すごい人が泊まってったこともあるよ」
そう言って、健斗君は私でも知っているスポーツ選手が怪我の回復をお願いした時の話をこっそり教えてくれた。
健斗君は押入れからお布団を二組出して、部屋の両端に離して敷いている。これから、何が始まるのかわからない私は、ただ、だまってそれを見ていた。
「それじゃあ、そこのお風呂に入って体を清めてきて。オレは母屋で入ってくるから」
「あ、うん。できればばんそうこう四枚もらえないかな?」


