お母さんはそれから毎日泣いていた。
泣いて、怒って、イライラをモノにぶつけている姿が目に焼き付いて、わたしは声も出せずに固まった。
大人でもこんな風に泣くこともあるんだって初めて知った。
毎日泣いているお母さんを見てもわたしにはどうすることもできなくて、一緒に涙を流しては、またお母さんに泣かれたのを覚えている。
お母さんは夜、仕事へ行くようになった。
明け方帰ってくるお母さんは、いつもお酒とタバコの臭いがした。
そっと帰ってきて、寝たふりをしているわたしの頭をなでてから、お風呂へ行く。
そして、朝まで一緒に眠る。
そんな生活がしばらく続いたある日、うちに男の人が来た。


