異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~



 両手をふいて、それから神社の正面へ。

 わたしは健斗君の真似をする。二回おじぎをして、二回手を叩く。

 真剣に何かを祈っている様子に、わたしもあわてて心の中でお祈りする。

 どうか、無事に人面瘡なしで帰って来られますように。それからまた、一回おじぎ。


「さて、次は腹ごしらえな」

 自然とわたしは、健斗君の横に並んで歩き出す。別に後ろで離れて歩いても良かったんだろうけれど、なぜかそうする気が起こらなかった。

 今日も目立つその姿。だけど、最初に見た時のようないやな気持ちがうすれているのは、やっぱり不思議な目のせいかも。

 ......いや、今のわたしの唯一の理解者だから、かも知れない。


「おごるから、遠慮しないで注文して」

 連れてこられたのは、おいしいと評判のラーメン屋さんだった。

 ......いいんですか? いいんですね。

 いくよ、それじゃあ。

「ネギみそチャーシューとギョウザ、あと半チャーハンお願いしますっ!」

「オレもそれで」

 にやにやしながら、同じものを注文された。