異世界巫女修行はじめました~理不尽な現世を飛び出して優秀な呪術師と一緒に異世界で人助けをします~



「ちょっと黙ってて! わたしはサーヤ姫じゃなくて、単なる女子高生なの。わたしのハダカ、タダで見ようってんじゃないでしょ、お二人さん」

「は、はだか......だと?」

「そそそそのような一切考えてはいませんがっ!」

「じゃあ、文句言わないでね! あ、ところでお二人さんは呼吸して......ないよね?」

「う、うむ?」

 わたしはまず、シン王子の目がばんそうこうのガーゼに当てるようにしてふさいだ。

 うまくふさげるように二枚を重ねてはって、口もふさいじゃう。

 こっちが素っ裸の時に話しかけられても、落ち着かないじゃない!

 右肩のアンドリュー王子の方が、利き手をうまく使えない分、はるのは難しい。


「むぐむぐむぐっ」

「ふむむむう......」


 聞こえないもん、何にも聞こえないもんっ!
 
 肩までざぶんとお湯に沈んで、ほうっとため息をつく。

 ああ、いい気持ち。

 ......両肩がもぞもぞするのは気にしないで肩まであったまるの!

 もぞもぞ動いてるっていうことは、ちゃんと生きてる証拠だもの。きっと大丈夫でしょう。

 わたしのお風呂タイムは誰にもじゃまさせない。たとえ王子様でも!