「おばあちゃん、明日から美奈の家に行くから。日曜日の夜には帰ってくるよ」
わたしは、おばあちゃんに嘘をついた。
美奈の家へ行くと言って、明日、金曜の夕方から日曜日までの時間を確保。
おばあちゃん、ごめんね。それまでも美奈の家にはよく泊まりに行っていたし、信用してくれたのは良かったけど。
もしも......わたしがいなくなったら、おばあちゃんは心配してくれるのかな。ごめんね、こんな迷惑かけてばっかりの孫で。
でも、こんなのが両肩についていたら、わたしの就職先は見世物小屋になっちゃうじゃない。
......とりあえず、第一関門はクリア。
次の関門は、お風呂だった。 よく考えたら、この二人に見えちゃう!
洗面所にもお風呂にも鏡があるんだし。
イヤだ。人面瘡だと言っても男の人だもん!
わたしは救急箱からばんそうこうを四枚持ってきた。
脱衣場に行き、ハーフトップになったらすぐに話し始める自称王子様達。
「サーヤ姫、少し話がしたいのだが......」
「もっと私達のことをご理解いただきたく......」
わたしはその二人を無視して、ばんそうこうを準備する。


