それぞれ五センチ位の大きさで、肩のカーブに添って『顔』になっている。
鏡越しに初めて二人と目......らしきものが合った時、倒れるかと思った。
わたしの肩、どうなっちゃったの?
割とイケメンなこの二人、驚くわたしに一生懸命説明してくれたんだけど、わたしはそれどころじゃなくて。
「いやいや、こんな人面瘡が出来ちゃった時点で、沙也ちゃんにとっては大迷惑だ」
そう! そうなの、健斗君!
わたしの気持ち、解ってくれる?
「そ......それはそうですが、我々の世界へお連れするには、こうするほかなかったのです」
冷静なシン王子が語るところによると......。
この王子様達の世界には、シャーマンが大勢いるらしく。
シャーマンなんてアニメでしか知らないわたしにとって、はっきり言ってうそっぽいとしか思えないのだけど。
で、そっちの世界の『サーヤ姫』というのは、そのシャーマンの中でも力の強い『巫女姫』なのだそうな。
各国の代表が集まって行われる何かの祭典で、巫女姫として踊る『サーヤ姫』にひとめぼれした王子様二人、そろって求婚していたらしい。
「神秘的な長い黒髪、すき通るような美しい白肌、愛くるしい笑顔。そして小さな体から発せられるその霊的な力に、私は圧倒されました。ぜひ、この姫を私の妻にと願ったのです」


